elementary OS 8.0 レビュー

elementary OS 8.0 Review

はじめに

11月26日(現地時間)にElementary OS 8.0がリリースされました。
https://blog.elementary.io/os-8-available-now/
UbuntuベースでMac OSのような独自のデスクトップ環境のOSということで前々から気になっていたディストリビューションです。
MacOSを使ったことがない私ですが、使い心地がどのようなものかレビューしていけたらと思います。

elementary OSとは

elementary OS(エレメンタリー オーエス)は、UbuntuベースのLinuxディストリビューションである。
elementary OSはPantheonデスクトップ環境を普及させるための旗艦となるLinuxディストリビューションであり、これはLinux MintがCinnamonデスクトップ環境を普及させるために取った手法と似ている[3]、Plank(Dockの一種)やMidori(デフォルトのウェブブラウザ)、Scratch(シンプルなテキストエディタ)などのelementary OSアプリケーションと深く統合されている。このディストリビューションはウィンドウマネージャにMutterをベースとした[3]Galaを用いる[4]。(Wikipedia より)

まとめると、
・Ubuntuベース
・Pantheonというデスクトップ環境を使用
・その他専用ソフトあり
ということで、Linuxに慣れていない人や、macOSのようなデザインのデスクトップ環境を求めている人に人気があるみたいです。

8.0の変更点

リリースノートを探してみましたが、それらしきものが見つかりませんでした・・リリースアナウンスを参考にしました。
https://blog.elementary.io/os-8-available-now/

  1. セキュリティと プライバシーの強化
  • 新「Secure Session」を導入
  • アプリの権限を厳格に管理
  • ユーザーの明示的な同意が必要な仕組みを追加
  1. アプリ管理の改善
  • Flathubをデフォルトで追加
  • より広範囲のアプリにアクセス可能
  • AppCenterの機能拡張
  1. インクルーシブデザイン
  • キーボードナビゲーションの改善
  • 画面読み上げ機能の強化
  • システム設定のユーザビリティ向上

セキュリティを強化しつつ、今まで以上に使いやすくしたということみたいですね。

ISOファイルのダウンロード

以下ページからダウンロードしました。以前のバージョンは公式で公開されておらず、最新版のみダウンロードが可能となっています。
https://elementary.io

購入とありますが、カスタムで$0にすると無料でダウンロードが可能です。
容量は約3GBほどで、最近のディストリビューションの中では比較的軽量になっています。

インストールプロセス

elementary OS 8.0 の推奨要件は以下の通りです。

  • 最近の Intel Core i3 またはそれと同等のデュアルコア 64bit プロセッサー
  • 4 GB のシステムメモリー (RAM)
  • 少なくとも 32 GB の空き領域がある SSD
  • インターネットアクセス
  • 組み込みまたは有線のマウス/タッチパッドとキーボード
  • 最小解像度 1024×768 のディスプレイ
    引用:https://elementary.io/ja/docs/installation#choose-operating-system

USBメモリに先ほどのページからISOファイルをダウンロードして、インストールしました。
USBメモリからライブイメージを起動させると、はじめに言語とキーボードレイアウトを設定するようになっています。
※言語選択時に音声が流れます。音量に気を付けたほうがいいかもしれません

その後、ネットワーク接続を確認されます。ここでスキップを選んでも次の起動時に再度聞かれるので問題ないと思います。

イメージのインストールが終わると再度同じことを聞かれたのち、アカウント作成画面にいきます。
私のPCでは下の部分が途切れていて、次へが押せませんでしたが、Enterキーで作成することが出来ました。

ログイン画面です。デフォルトの壁紙が爽やか系です

その後、スタートアップでいくつかの設定が可能となっています。
テーマはデフォルト(通常テーマ)とダークテーマから選択が可能で、
一時ファイルや不要ファイルの自動削除機能などの設定が可能でした。
また、その他SNSアカウントの連携も可能となっています。

個人的に嬉しかったのはMozcがデフォルトでインストールされていて、起動時からひらがな入力が可能になっているところでした。
いちいち自分で設定しないでいいのは楽でした。AlmaLinuxもセットアップ時から使用が出来たのですが、最近はどれもこんな感じなんですかね?
※キーボードでデフォルトを選んだつもりがDvorakになっていて使いづらすぎました。

アップデート確認

アップデート箇所を簡単にですが確認していきたいと思います。

cat /etc/os-release

Elementary OS 8.0 が Ubuntu をベースとしているため、基盤となる Ubuntu コンポーネントとバージョンの一部を継承していることも表示されていました。

アップデート内容にもあったように、設定画面からアプリ一つ一つにアクセス権の設定が出来るようになっています。更にFlathubを入れれば細かく設定をすることも可能だということです。

使用してみて

Pantheonの使用感ですが、Macを触ったことがないのでMacとの比較ができませんが、個人的にGnomeに類似してて使いやすく感じました。Linuxユーザーで普段からGnomeを使っている方なら抵抗なく使用できると思います。
また動作についてですが、同じPCにUbuntuを入れていたことがあったのですが、それよりもPantheonの方が軽量でサクサク動いてくれました。Gnomeの場合、バックグラウンドで常に動いているものが多いのですが、Pantheonは設定画面から制御をすることが容易な為そこそこ軽量化しやすい設計になっていると思います。

起動の時間に関してですが、HDDのみの古いPCなので数分待ちました。ただ、これはPC自体の問題でSSDやそこそこのスペックのPCであれば気にならないと思います。
初期設定に関して、セットアップガイドで大体のカスタマイズをしてくれるので、Linux初心者でも十分使用が可能だと思います。ソフトに関しては、AppCenterのアプリストアとFlatpakでデスクトップ環境上でのインストールも可能ですし、Ubuntuをベースで作っているので、ターミナル上でapt-getコマンドでパッケージのインストールを行うことが可能となっています。

総評ですが、個人的に普通にありだなと思いました。UbuntuとMintの間のような感じのイメージで、WindowsユーザーやMacユーザーからの移行が簡単かなという印象です。

ただ、デザイン重視のため、ユーザーのカスタマイズ性が制限されているので、Gnomeのようにカスタマイズに自由性があるわけではないです。
一つ気になる点は、Pantheonのパフォーマンスです。確かに軽量で快適に動作しますが、長期間使用した際の安定性や、より高負荷のタスクでどのように振る舞うかは、今回の短時間の試用では完全に把握できませんでした。

グラフィック関連の作業や、プログラミング、動画編集などの重たいタスクでどの程度のパフォーマンスを発揮するのかは、さらに詳細な検証が必要だと感じています。また、対応できるソフトウェアの種類も、実際の業務や趣味で使う上では重要なポイントになってきます。

現時点での印象としては、Windowsや macOS からの移行を検討している人、あるいは Linux に興味はあるものの難しそうと感じていた人にとって、elementary OS 8.0 を触ってみるのはありだと思います。

おわり