WindowsからOpenSUSEへ移行した方がいい10の理由 ~10のデメリットも添えて~

10 Reasons to Switch from Windows to OpenSUSE – With 10 Potential Drawbacks

はじめに

私はLinuxが好きです。Windowsが嫌いというわけではありませんが、業務でも極力LinuxPCを使用するようにしています(多少私の意地もありますが)。

Windowsはライセンス料や定期的なアップグレードによる費用などがかかります。円安の影響もあって、こういったものが高いという風に感じる人も多いのではないでしょうか。
Linuxと聞いて専門的な知識が必要だと思う人も多いとは思いますが、案外覚えてしまえば簡単で、むしろWindowsよりも使いやすい部分もあると思います。
そこで、Linuxのディストリビューションの1つでもあるOpenSUSEに焦点をあてて、Windowsユーザーの皆さんに紹介したいと思います。OpenSUSEは使いやすく、安定性が高いと人気のものです。特に、企業環境でも使用されているSUSE Linuxの技術を基盤としているため、個人用途から業務用途まで幅広く対応可能です。

今回はWindowsからOpenSUSEに変えたほうがいい10の理由を考えてきましたので、一読していただければ幸いです。

OpenSUSEへ移行する10の理由

1.ゲームサポート

現在、PCでゲームをしている方も多くいると思います。ゲームはWindowsだけでしかできないというわけではありません。SteamやLutrisなどといったプラットフォームはLinuxOSにも対応しており、Linux上でも同じようにプレイが可能となっています。
特筆すべきは、Valveが開発したProtonの進化です。このツールにより、Windowsゲームの多くがLinux上で動作するようになりました。パフォーマンスも日々改善されており、一部のゲームではWindowsよりも高速に動作するケースも報告されています。

Linuxでプレイが可能なゲームのリストを載せておきますので、参考にしてみてください。
SteamOS+Linuxタイトル:https://store.steampowered.com/linux?l=japanese

2.KDE Plasmaの安定性

Linuxでは多数のデスクトップ環境から自分自身で選択しなければなりません。OpenSUSEでは、KDEコミュニティと長年にわたって協力していることから、統合的な開発がされており、デスクトップ環境として最適化されています。

※画像は英語ですが、日本語に変更することもできます。

さらに、KDE Connectを使用すれば、スマートフォンとPCを連携させることができ、通知の共有やファイル転送なども簡単に行えます。これはWindowsでは標準では提供されていない機能です。

3.容易なシステム管理

Windowsの場合だと、設定画面やWindowsキーなどから自分が何のアプリをいれて何を稼働させているのか考えなければいけません。OpenSUSEの場合、YaSTというインターフェースを通してシステム設定を誰でも簡単に行えることができます。
ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークなどをYaSTから一元的に制御できるのでWindowsのように設定・コントロールパネルなどから探さなくても、YaSTを開くだけでシステム設定が完結する仕組みになっています。
Linuxの場合、ディストリビューションや設定項目によって操作方法が大きく異なることが多いですが、SUSEはこれ一つで管理が容易です。また、モジュール式になっているため、カスタマイズも簡単にできます。
また、YaSTはGUIとCLIの両方をサポートしているため、初心者からパワーユーザーまで幅広いニーズに対応できます。

※画像は英語ですが、以下略

4.Snapperによるシステムバックアップ

Btrfsというファイルシステムと深く連携しているのも強みの一つです。
システムのSnapshotをユーザーが何をしなくても自動的に作成することができます。
もし何か重要なデータや、誤った操作などをして壊れてしまったとしても、以前の状態に簡単に復元可能となっており、ファイル単位でも操作が可能です。
また、何かの手違いでシステムエラーが起きて起動しなくなっても、OpenSUSEの場合、GRUBからSnapshotで起動することによって、数分で復旧が可能です。万が一ウイルスなどでシステム全体が壊れても、タイムマシンのように数時間前のシステムに戻すことができるようになっています。
この機能は、特に重要なデータを扱う業務用途や、システムの安定性が求められる環境で非常に有用です。

※※

5.高度なセキュリティ

Windowsの良さはセキュリティの自動アップデートによるウイルス対策ですが、OpenSUSEでもそれはあります。
TumbleWeedというモデルは最新のセキュリティアップデートを迅速に提供してくれるので、ウイルスにかかる心配をしなくて大丈夫です。
※そもそもLinuxを標的とするウイルスは、Windowsに比べて圧倒的に少数です。これはユーザーにとって大きな安心材料となります。
SELinuxやAppArmorなどといった高度なセキュリティ機能を標準搭載しており、そういった心配もないと思います。

6.オープンソースゆえの自由さ

ソフトウェアなどの自由な使用、作成、共有、改変ができます。プライバシーなどを重視しており、ユーザーの情報などの収集は最小限です。
プライバシーに関する収集は、Windowsの場合不安な場合拒否しなければいけません。そういった部分でLinuxは有利だと思います。

7.安定性と信頼性

エンタープライズ向けのSUSE Linuxを技術の基盤としているため、厳格な品質管理プロセスによって、高い安定性と信頼性があります。
※Windowsの方が安定性と信頼性がありそうですが、そこは個人差あるということで、、

8.コミュニティサポートの手厚さ

活発なユーザーコミュニティがあるため、幅広いサポートがされています。基本的に英語ですが、最近のブラウザでは自動翻訳などもしてくれますし、英語の勉強にもなるので一石二鳥だと個人的に考えています。

あくまで個人的な意見ですが、他のコミュニティと比べて優しい人が多いイメージです。アットホームなコミュニティとなっています。

9.リソース効率の良さ

Linuxの強みとして、システムリソースの使用が少ないことが挙げられます。サポートが終了している古いPCでもある程度快適に使用が可能です。起動時間はWindowsと比べると長く感じるかもしれませんが、その特性も愛おしく感じるようになると思います。

10.柔軟なソフトウェア管理

Windowsの場合、自分で窓の杜やWindows Storeからソフトをダウンロードする必要がありますが、Zypper,YaST,Flastpak,SnapなどといったパッケージマネージャーをサポートしたRPM配布システムがあり、最新のソフトウェアパッケージへのアップデートもかなり容易です。慣れてしまえばかなり使いやすい仕様だと思います。

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以上が私が考えるWindowsからOpensuseに乗り換える10の理由です。私が思う長所を散々書いてきましたが、一応デメリットも書いておくことでバランスを取りたいと思います。

OpenSUSEへの移行~10のデメリット~

1.学習がめんどくさい

Linuxの操作になれていない人は新しいシステムになれるのに時間がかかってしまいます。また、コマンドラインの使用が必要な場面もまだあるので、初心者の方にはそこが難しく感じてしまう部分もあると思います。

2.ソフトウェアの互換性

一部のWindowsのソフトウェア(業務用のCAD、専門的アプリケーションなど)が対応していません。無理やり使おうと思えば使えますが、不具合などが起こる場合もあります。

3.ハードウェアの不具合

最新のデバイスや特殊な周辺機器では、まだLinuxが対応していないものなどもあり、ドライバーの問題が発生して使用できないものがあります。

4.一部ゲームの制限

メリットにゲームもできる!と書きましたが、すべてのゲームが動作するわけではありません。最新ゲームや特殊なDRMを使用するゲームで問題が発生する可能性はあります。

5.商用サポートの問題

企業向けの商用サポートが限られており、主に自分で調べて自分でどうにかする必要があります。そのため、企業などで使う場合はサポート契約が必要になる場合もあります。

6.アップデートによる不具合

OpenSUSE Tumbleweedのようなローリングリリースモデルは、頻繁なアップデートが予期せぬ不具合を生む場合があります。一応ダウングレードも可能ですが、そこも厄介な部分です。

7.一部のオンラインサービスとの互換性がない

銀行やオンラインショッピングなどがLinux環境で機能しないことがあります。ブラウザが原因なのかLinuxが原因か調べたりする必要があるので、少し厄介です。

8.ソフトの選択肢

MicrosoftのOfficeは使えないので、OpenOfficeなど使わないといけません。最近ではMicrosoft365というものがあるのでそこは困りませんが、他のそういったものを提供していないソフトで困ることもあると思います。ほかの代わりとなるソフトになれる必要があるのが欠点です。

9.メディア制作の制限

一部のコーデックやフォーマットのサポートが制限されることがあります。有名な動画編集ソフトなどがLinuxに対応していないこともあるので、要注意です。

10.企業環境での採用障壁

日本の多くの企業がWindows中心のITインフラをもっているため、OpenSUSEなどのLinuxの導入には組織的に困難かもしれません。社員がLinuxの知識を覚えたり、サポート体制の再構築が必要になるのが一番の問題点だと思います。

おわりに

OpenSUSEに移行したほうがいい理由とデメリットを述べさせていただきました。企業でWindowsをやめるということは難しいと思いますので、自宅で使うPCに軽い気持ちでLinuxを入れてみてはいかがでしょうか?
最初は少し不安かもしれませんが、SUSEの沼から抜け出せなくなると思います。

画像引用:https://en.opensuse.org/


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